歯科治療の料金
今日のテレビで歯を抜くお金がない人が、安く抜歯するため、催眠療法で麻酔をせず
歯を抜くというのをやっていました。(イギリスだったかな?)
患者さんは奥歯をぬくのにかかる費用約¥64000円がなかったため、
その方法をえらんだということです。
わたしに言わせれば、麻酔のアレルギーがないのであれば、
麻酔して抜いたほうがよほど手間かからないし、痛くないし
むしろ患者さんが楽だと思いました。手間がかかりすぎるということは
時に医療コストがかかるということですから。
しかし、¥64000ですよ!ちなみに日本なら高くても患者さんの
支払いは10分の1程度の症例でした。
このことが何を表わすか?
実は欧米が高い!のではなく日本の歯科の保険診療の設定があまりに低いのです。
いや昔とくらべて低く設定されすぎてるのです。
よく「歯医者は高い」といわれることがありますが、使用している材料のコストなどを考えると
ひどい設定のものが数多くあります。そのため治療内容によっては、
赤字になる内容の治療はやらない医院さえあります。
それは初診料や再診料が唯一他科よりずいぶん低いことでもわかります。
私たちはみな、患者さんが少しでも快適になれるように日々努力しています。
しかしたとえば飲食業のように企業努力として材料コストを減らすことは、医療ではけっして
いい結果をうみません。
欧米では入れ歯1つつくるのに数十万円かかるのをわずか2万円以下でつくらなければいけない
システム(材料費、技工師の制作料を含む)の壁があり、
いい仕事をしたい気持ちとできない現状が私たちを悩ませます。
私たちはつねに最高の歯科医療サービスを提供したいとおもっていても
できないおおきな理由となっています。
ただできる限り自分にできる最善の治療はこれからもつづけていきたいと
思い日々努力しています。
ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。