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歯科治療における誤解(言葉編)

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歯科の専門用語や材料には、一般の方が普段日常生活で聞いたことない言葉や、材料が沢山あります。医療は常に進歩していますから、少し前の常識がもう非常識になっていることもしばしば。

その中でも今日は専門用語についてお話します。

私小坂の個人的な見解なのですが、『人間は五感の一つをふさがれると他の感覚が鋭くなる』と思います。レイチャールズやスティービーワンダーがすぐれた音楽家になったのは目が不自由だったからなのかもしれません。

歯科治療で目にタオルをかけられると、周りの音やにおいに敏感になりませんか?そんなとき私たち術者側が話していることがしばしば勘違いされてしまうことがあります。私がスタッフにはなしかけているのに、患者さんが返事をしたりするのはしょっちゅう。そのため誤解されてしまって、患者さんをおこらせてしまったこともあります。

①「○○さんの印象が悪い!」と歯科医はスタッフに日常的にいいます。患者さんは「私の印象が悪いと悪口を言っている」と勘違いされるのです。歯科用語を『印象』とは型をとることなんですね。粘土みたいなもので型をとって正確にできなかったら「印象が悪い」というわけです。

その他にも

②『マトリックス』・・・・つめものをするときに使う枠みたいなもの。映画ではありません。

③『ストリップス』・・・・②と近い道具ですが、詰め物をしたときに細かいところを磨いたり、②のように使うもの。

④『圧排(あっぱい)』・・・・・圧迫して排除する、という意味でつかいます。歯茎が邪魔なときスタッフに「歯肉圧排して!」といいます。外科で手術しやすいように内臓などを器具でひろげてよけるときなども、圧排する、と使うようです。これはほぼ毎日つかう言葉ですね。

変な話、③と④は患者さんに誤解されるとセクハラになってしまいます。ある先生がこの言葉で誤解をされてしまったと聞きました。・・・・(汗)

⑤『バイト』・・・・・・歯科医が「○○さんは今日はバイト!」といったら、アルバイトを募集しているとか、「患者さんは正社員かバイトか?」といっているのではありません。かみ合わせの記録をとる、という意味です。

⑥『シンマ』・・・・・歯科治療のほとんどの方法である、浸潤麻酔(しんじゅんますい)のこと。医科ではシンマとは心臓マッサージのことをさすことが多いようです。

⑦『バー』・・・・お酒を飲むところではありません。治療中に先生が「バー注文しといて!」というのは診療後にいく飲み屋さんを予約しているんじゃありません。歯を削る先のポイントのことです。

⑧『ばっし』・・・・歯科では歯をぬくこと。医科では糸ぬきのこと。歯科の外科で縫ったあと、糸抜きの場合、歯科医は区別して『ばついと』ということが多いです。

⑨『エレベーター』抜歯の道具

 

などなどまだまだ誤解されやすい言葉はたくさんあります。そんなことで患者さんに嫌な思いをさせてしまわないように気をつけなければいけないんですが・・・。

 

 

 

 

ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。