田舎へドライブ
前日の宮崎審美研究会が延期になったので、早めに就寝することができ、翌朝、休日の7日に早起きも可能になりました。
そこでどこかへドライブでも・・・ということで急きょ宮崎県の西のはずれ、熊本との県境になる西米良村へいってきました。
西米良村というのは、宮崎県人でも「1回もいったことがない」いう人が少なくないほど、山奥(住民の方ごめんなさい)にあります。私も生涯2度目。
有名なのは花火大会と温泉かな。
宮崎市から西都市経由で2時間半くらいかかります。道中は西都市街をぬけると山と川、道路以外にほとんど何もありません。当然コンビニもありませんので、トイレが我慢できなくなったら、『大空と大地の下で・・・・♪by松山千春』になってしまいます。
膀胱が破裂しそうだと嫁は主張しますが、ゴールまで我慢するしかないのです。
途中車一台しか通れないような狭い道を延々とすすみました。草木が生い茂っており、木の陰と、木漏れ日のせいで、目が慣れずぼんやりすることがあります。
そんな中まるで絵本のおとぎ話のような、幻想的な風景に出くわしましたのです。
タンポポより大きな花の種がふんわり綿ののようにたくさん舞っていました。
木漏れ日に舞う花の種を運転しながらみていたら、10メートルくらい先にぼんやりとした黒いシルエットと視線を感じたのです。
2人とも、はじめはなんだかわからなかったのですが、助手席の嫁が
「あーーーーーっあああっ、し、し、鹿だーーーーーーーっ!!!!」
狭い道路をふさぐように、バンビといえるような小鹿が仁王立ちしていたのです。
しばし私たちのほうをみてわきの林の中に消えていきました。
粉雪のような花の種のむこうにみえた小鹿の影はそれはそれは幻想的で感動しちゃいました。
あの場面をそのまま絵にできたら・・・・、きっと素敵なアートになったことでしょう。
それから15分ほど進んでいって、
トイレの限界と超えかけたあたりでようやくランチポイントに到着しました。
小川集落、古民家風の食事処。近くには宿泊施設や資料館もあります。
トイレはボットン系の汚いものかと思いきや、ウォシュレット付きのおしゃれなものでした。手入れが行き届いています。
概して田舎のこういう場所にあるプチ観光スポットは、勘違いしたものが多いと思います。。
集落の高齢者が観光客を集めようとがんばってみても、残念ながらどこか間の抜けた雰囲気を醸し出しているケースは少なくありません。(おせじも言えないような、微妙な手作り雑貨があり埃だらけだったり、クリスマスでもないのに、電飾がチカチカしていたり・・・・)
しかしながらこの施設は上記したケースとは違い、うまく景観を利用し、最小限の施設で、ものすごくいい雰囲気を感じる場所でした。
ここがつくられたときに、専門職のデザイナーか、洗練された若いアイデアがはいったに違いない。
建物が昔造りの藁ぶき屋根で、趣があります。
クーラーもなくドアや窓を開けっ放しで、開放感全開。しかしながら蚊は全くいなくて、かなり心地よいスペース。どことなくおばあちゃん家のにおいがします。
「うーーん、落ち着くところだな」
囲炉裏近くのテーブルを陣取ってでてきた食事がこれ。
小さい小鉢が16個。ごはんとだんご汁がついて、一人1200円。これがすべてなかなかおいしいんです。地元のおばあちゃんたちがつくったであろうものを、おしゃれにちょこっとづつ盛りつけてあるんです。
たぶんこの盛り付けを提案したとき、集落のお年寄りは反対したんだろうなあ。
「こんげな少しじゃったら、たりんて!」と。・・・・(この量じゃたりないよ、の意)
田舎のひとはお皿一杯大盛りにしますからねー。
いえいえこのちょこっとさがいいんです!!
それから鹿のから揚げも別注しました。これが本当においしかったんです。子供のころ給食ででてきたクジラの竜田揚げにそっくり。さっきのかわいい鹿のことはわすれてペロリ。
かなり満足して再び車に乗り込み、温泉にいきました。
めったにこれませんが、泉質でいうと私は宮崎県一だと思います。
とろっとろとお湯。温泉だけわざわざ来てもいいかな!という場所ですよ。
ゆっくりお湯につかって疲れを癒しました。最高。
湯上りにコーヒー牛乳・・・腰に手をあてて(笑)
西米良村・・・・・・たまーーーに来るには、本当にすっごくいい場所でした。
ぜひ皆さんも一度おためしを!
追記:西米良は街から離れているため、医師も歯科医師もほとんどいません。歯科医師に限っては、医大の先生が派遣されていくシステムになっています。かつて知り合いの先生が数年派遣されていっていました。
歯科医としてのキャリアからすると、彼の給料はよかったらしいんですね。
それでも、村内にはほとんどお店がなく、お金を使う場所がないので
私が「ずいぶん貯金がたまるでしょ!」と聞いたら、
彼:「逆に貯まらない」とのこと。
お金を使う場所がないので、週末の休日ごとに3時間かけて山をおり、宮崎市内の繁華街で何件もハシゴしてお金を使っていたからだそうです。
横浜そだちの彼にはネオン街が恋しかったんでしょうねー。(笑)
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