したたかさ
『 したたか』という言葉
漢字では『強か』と書くが、ときには『健か』とも書くらしい。
私はこの言葉を使うとき、頑張って頑張って気丈な様子を表現していた。
しかし嫁との会話や嫁の周囲の方たちの会話を聞いて、『したたか』という言葉を別の意味として使っていることにはじめて気が付いた。
たとえば私なら
東日本の被災者が家族を失い、財産を失い、悲しいことがたくさんなのに、明るくふるまって「がんばろう!」っていう映像を見たとき
「ああ、この人たちは強かだな」ってセリフを使うわけ。文字通り、心が『強い』って意味で。それ以外の使い方をしたことがなかった。
嫁の場合
たとえば
若貴のお母さんの藤田憲子さん。
ギャラがいい(たぶん)のかもしれないが、元旦那や貴乃花、嫁たちのグチを彼女が赤裸々に語っているのをテレビでよく見る。
「うわっ、こんなことテレビでいっちゃーまずいでしょ」って内容。
まあ女性一人で生活していくことを考えて、ギャラのにおいがプンプンしたとき・・・・
「彼女は強かだ!」って使う。
私の使い方の場合、エールを送る意味になのだが、
後者の場合は逆で『こズルい』とか、『計算高い』という意味になる。
大辞林には・・・・
1 粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま。「世の中を―に生きる」「―な相手」
2 強く、しっかりしているさま。「―な後見役」「―な造りの家」
3 強く勇猛であるさま
4 程度がはなはだしいさま。
5 分量がたいへん多いさま。
と書いてある。
つまり本来の意味としては私の使い方が正しいように思える
しかし、世の中では嫁のような使い方もどうやらとおっているようだ。
強いというのは、別の尺度からみると『頑固』とか、『手ごわい』、という意味にもなるわけで、悪い意味での『したたか』という言葉が使われても何の不自然さもない。
使い方がただしくないとしても、それが一般的になればいわゆる「嘘から出た誠」なのである。
情けは人のためならず・・・というのが人に情けをかけてはいけない!という逆の意味でつかわれているのもそう。
ちなみに私は性善説という言葉をよく使うが、本来の意味で使う人は皆無のようだ。
「すべての人は生きながらにしていい人ばかりで、悪い人は一人もいない。いい人しかいないということを前提にして・・・・」
私もそんな使い方をしている。
言葉はいきている。
ギャル語も使い続ければ、日本語になる。ダサイという言葉はおそらく今後も生き続ける言葉であろう。
時々「最近日本語が乱れている」となげく大人がいる。
私はそれを聞いて心の中で「あほか!」と叫びたくなる。
言葉は生きているのだ。若者たちが流行の言葉をつくり、日々進化していく。
「最近・・・・」なんていう頭の固い人は、明治時代の言葉が理解できるのだろうか。
国語の教科書にのっている言葉は、料亭でたべる高級日本料理のように正統派で正しいものかもしれないが、一般人にしてみれば定食屋の生姜焼き定食の方が日常の大半をしめるのである。
正しい日本語は天皇陛下から賞状をいただくときにとっておいて、日常では流行り言葉や通称、俗語を否定せず、日々進化しつづける『日本語』と接する方が賢いと思う。
私の知らないところで、嫁が高級ランチをママさんたちと私に内緒で食べていることをしったら
「君は強かだなぁ」と口にすることにしよう。
意味は当然、、藤田憲子さんバージョンで。(笑)
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