歯垢の数は、なんと・・・。
俗語では 『歯糞(はくそ)』
正しい言葉では『歯垢(しこう、またはプラーク)』といいます。
歯のアカと書きますね。
私は患者さんに説明するときこう説明します
『歯垢』は、自分で歯ブラシでとれるやわらかい汚れで、
『歯石(しせき)』は、歯垢をつけっぱなしにしておいて、カチカチになったものです。歯石になると衛生士さんにとってもらわないととれません。だから3~4か月に1回歯科医院でとってもらわないといけないんです。
わかりやすくいうと歯垢は、お風呂のヌメリ。あれはスポンジとお風呂用の洗剤でとれますね。スポンジは歯ブラシ、洗剤は歯磨き粉
歯石は、船底のフジツボと同じ。鋭利なものでこさぎ取らなければとれません。これが歯科医院でやる歯石とり
ところで皆さんは、人間の体のなかでもっとも汚いところはどこだと思いますか?
「それは心です!」 なーーーんていう問答はなしにして・・・。
「足の裏?」
「鼻の穴?」
「脇の下?」
それとも
「肛門???」
おしりの穴が何となく一番汚そうですねぇー。うんちが出るところですから。
答えは???
私が思うにきっと「口の中です」
おしりってわりと簡単にきれいに洗うことができると思います。
口の中には歯があって、この存在が、口の中の菌の増殖をある意味手伝っているのです。
海で、単なる砂しかないような場所には生物は繁殖しにくいですよね。岩や沈没船などがある複雑なところにはいろんな生物がすみつきます。
歯は菌が繁殖するのにとてもいい環境なのです。
ではいったいどのくらいの菌が口の中にいるんでしょうか?
1ミリグラムの歯垢の中にはなんと、およそ1億個の細菌がいるといわれています。
一億個ですよ、「いちおくこ!!」
1ミリグラムとは爪楊枝でとった小さい固まりくらいのものです。
つまり歯ブラシをおこたり、汚れを付けたままにしておくと、毎日細菌の塊をたとえば食事のときなどに一緒に飲み込んでいるわけ。
口の中の細菌が肺炎や心筋梗塞の原因になるという理由がわかるでしょう?!
気持ち悪いですよね。
体の中で一番きたないと言いましたが、これ本当。
認知症で寝たきりになっている方のお口のケアに訪問診療にいっている先生はときどきびっくりするそうです。
口の中にカビが生えていることがあったり、
ウジ虫が湧いていたなんてこともあったそうです。うじ虫ですよ(汗)
介護士さんは、おしりはきれいにしてあげても、口の中はなかなか掃除が難しいんですよ。
皆さん、口腔ケアに心がけて、健康を維持しましょうね。
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