ブログの歯科ネタ
最近、歯科のネタをこのブログで書く事が少なくなりました。
歯科のイベントでこういうことがあった!とか、
歯科セミナーに行ってきた!とか、
そういうことを書くのはあまり問題ないと思うのですが、治療の内容などに関して書くといろいろと問題が出てくるのです。
たとえば、インプラントに関する個人的な考えや、何がよくて何が悪いかなんていうことを書いてしまうと、どれほど正しいと確信していることであっても、反論する方がいたり、結構面倒なことになりかねないからです。
歯科医の100%がすべて同意できるものって、まず思いつかない。
昨今の医療(歯科治療)、科学的根拠(エビデンス)が証明された上で、治療を行うということが不可欠とされています。
エビデンスよる治療とは、わかりやすく言うと、ある治療法がある病気、怪我・症状に対して、効果があるとか、ないとかの研究の統計をとり、そのデータを元に治療を行うということです。
その治療法がいいか悪いかを論議するうえで、医療人はこのエビデンスをもとに自分の正当性を主張するんですね。
そのエビデンスを発表する人、団体がビッグであればあるほど、信頼性がまし、「あーーー、あの先生が言っているんだったら、正しいだろう!」ってなるわけ。
世界的に有名なインプラントの大家や、歯周病の神的存在の方が、エビデンスをもとに言っていたことが1年後
「あれ、やっぱり間違っとったでーー!」なんていうこともしばしばでなんです。
小保方さんは、今STAP細胞があるというエビデンスを作っているんです。(私個人的には、ぜひSTAP細胞が本当であることを期待してるんですけど)
イチローから野球の極意を伝授されたら、それを信じて練習するのと同じで、歯科の神的存在の方の教えは、なかなか否定することができないんですね。
でも間違っていることも多いから、ややこしい。
9割以上の歯科医が賛成していることでも、ごく少数の意見の歯科医がすごくマイナーなエビデンスを添付して、
テレビやネットで「騙されちゃいかんで!!!」なんて発信してしまうと、患者さんが混乱して日々の診療に影響してしまいます。
だから、ブログでこの治療は正しい!とか、間違いとか、あまり書きたくなくなったんですね。
世の中にご高名な先生方がたくさんいて、それぞれ考え方やり方が違っています。我々臨床家はそのうち自分が共感できる先生のやり方をそれぞれ真似しているわけです。
フッ素論に関しては、私はこう思うっていうのを最近載せましたが、いいとか悪いとか、断定することは避けたほうがいいかなと思っています。
追記:「歯科医の100%がすべて同意できるものって、まず思いつかない。」
って上記しましたが、訂正。
「お口の中は綺麗にしたほうがいいですよ!!」
ってことはきっと100%の歯科医は同意します、きっと!!
ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。