唾液の緩衝作用。
以前お話ししましたが、むし歯や、歯周病で口の中がボロボロの人や、歯が随分少なくなった老人でも、むし歯にもならずに、最後まで生き残ることが多い歯があります。(人間の口の中でですよ)
それは下の前歯です。
多くの人が奥歯からダメになっていくことが多いのですが、
前歯の寿命を比較すると、
上の前歯が平均62年
下の前歯が平均66年
と4年も差があります。ちなみに奥歯は平均50年。
そのワケは下の前歯の裏側に唾液腺があり、つねに唾液で洗われているからです。
むし歯の原因は『歯垢』です。歯にくっつき、酸をだし、歯を溶かします。
歯はPH5.5以下で溶けはじめます。
食事を取ると一気にPHは5.5以下に下がります。つまり、食事をした直後はもっとも歯が溶けやすいときなわけです。
この酸性の状態を中性に戻すのが、唾液の力です。これを唾液の緩衝作用といいます。
唾液は、魔法の液体と言われます。唾液が出ることで、むし歯や歯周病の予防になりますし、唾液の抗菌作用は、食中毒の予防にもなります。(だからたくさん噛んで唾液を出して食べましょうというわけ)
ある先生が実験をしました。
5CCの水と、5CCの唾液に0.2CCの塩酸を入れたのです。
水はPH2.3(つまり強酸)
唾液はPH6.0までにしか低下しなかったのです。
もし、このPH2.3の水を薄めて、PH6.0にしようとしたら、なんと水が5リットル必要となるのです。
つまり、唾液は、水よりも約1000倍~10万倍も中性に戻す力が強いのです。
唾液ってすごいでしょ!!まさに『魔法の液体』
寝ているときは唾液が出にくいのです。
だから寝る前の歯磨きが重要なのです。
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