日本の歯科医師と歯科医療事情④:コンビニの数と歯科医院の数
私がちょっとイラッとしてしまうのが、歯科に関するネガティブ報道でお決まりのように発するこの文句
「歯科医院は、コンビニの数より多い!」
という言葉。
浅はかなマスコミ報道や、くだらない歯科経営セミナーでなんどもでてくるフレーズです。
このフレーズが入っているだけで、そのセミナーは聞く価値ないなあなんて思ってしまいます。
なんでコンビニと比べたがるんでしょうか。
コンビニより多いと何がいけないのでしょうか?
歯科医院というのはそのほとんどが、従業員10名以下で運営しています。都会ならともかく地方では歯科医師1名のみというケースも多い。
地方の場合、開業時のプランとして、診療台を最大4台と設定して設計していることが多いです。
歯科医師1名だとそれ以上あっても無理だし、投資金額も多くなるので。
そのスタイルで、一定水準以上の治療レベルを保とうとすると、1医院(歯科医師1名 スタッフ4~5名)あたり8時間労働で患者さん1日20~30人くらいまでが限界だと私は思っています。(いい治療をするためには、本当はもっと少なくないと、いけないと個人的には思っています)
コンビニはどうでしょうか。
コンビニは1日来客数が1000人くらいこないといけないのだそうです。
いえたしかに昔から比べたら歯科医院数は増えましたよ。歯科医院がおよそ68000件で コンビニが約54400 件 ですから。
でもね、
コンビニの数と簡単に比較をしますが、コンビニの最大数って5万件くらいが限界なんですって。
コンビニは、コンビニだけが競争相手ではないのです。
スーパー(全国に約2万件)
キオスク
デパート
個人商店
酒屋さん
たばこ屋さん
本屋さん・・・・・・など
美容院と競合するのは・・・?(ちなみに、美容院は23万件 理容院は13万件)
理容院
セルフでバリカン
パパ、ママの子供カット
歯科医院と職種が競合するのは何でしょうか?歯科医院だけです。
セルフで歯を削れますか?
コンビニというのは、24時間年中無休、空いているというのが、最大のメリットですね。
たとえば飲食業で考えると、経営を改善する方法で、誰にでもできて、最終手段となるのは、営業時間を伸ばすことです。(値段をさげるというのは、かならずしも経営の改善にはならない)
飲食業は他人が遊んでいる時に働かなければならないので、どうしてもよる遅くなったり、休日も営業しなければいけなくなります。
料理に自身があって、毎日予約であふれ、行列する店なら「うちは、週3日で、お昼3時間しか営業しません!」なんて強気になれるでしょうけど、そんなお店はなかなかありません。
つまり、歯科医院にしても、単に患者の数を増やしたければ、24時間365日診療を掲げれば、きっと患者の数はぐーーんとふえるはずですよ。勿論交代制でね。(現実には、そんな歯科医院はごくわずかですし、皆そんな診療やりたくないから、ほとんどみかけませんねー。宮崎市の平均診療時間は、午後7時くらいまでですから、24時間とまではいかなくても、9時くらいまでのばしたり、日曜日に診療するときっと患者さんはふえるでしょう。)
コンビニの数と歯科医院の数を比較するというのは、小学生の算数レベル以下のほんとくだらなーーーい比較統計なのです。
そんなアホなことをマスコミが報道して、一般の方は「へーーー、そうなんだ、歯医者はコンビニより多いんだ!大変だ、儲からないわけだ!」なんてまちがった解釈をしてしまうのです。
ちなみに以前お話ししましたが、アメリカでは人口対比で日本の2倍以上も歯科医が多いんです。
それなのに、平成15年度のアメリカのもっとも良い仕事NO1は『歯科医』なのです。
世界的にみても、歯科医という職業は人気職業なのに、日本だけ人気がない。それをマスコミは、歯科医の数がふえて儲からなくなったから!なんて毎度のようにいうのですが、そうじゃありません。
以下、ネットより抜粋↓
アメリカにおける良い職業ベスト10「1位:歯医者」 | イマドキ就活事情 | 就活準備 | マイナビ 学生の窓口
U.S. Newsが2015年度の良いとされる職業のランキングを発表しました。職業の成長率、給与、求人率、
ストレスレベル、ワークライフバランスなどを考慮した上でランキングを決定しています。
アメリカにおける良い職業第1位は歯医者です。
一位の理由として失業率が0.9%と低く、手取りの給与が平均164,570ドルと高いことが挙げられます。
続いて第2位が特定看護師です。日本にはない職業ですが、
ある程度の措置が認められている看護師ということで医師と看護師の中間に位置する医療従事者です。
医療改革により今後需要が見込まれる職業だそうです。第3位がソフトウェア開発者です。
これからもソフトウェア関連の需要が見込まれること、平均給与が96,000ドルと高いことでランクインしています。
以下第4位に内科医、
第5位に歯科衛生士、
第6位に理学療法士、
第7にコンピューターのシステム解析者、
第8位に情報セキュリティ分析者、
第9位に派遣看護師、
第10位に医師助手でした。
ワークライフバランスなどを考慮しても
医療関係の職種がこれだけランクインしていることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/815
※歯科衛生士が5位っていうのも注目。
ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。